ニッヶル・モリブデン共電着機構の解明の一助として,NH2-,OH-,SO4-基などを含む数種の添加剤につき,その添加濃度と電着合金組成,電流効率および陰極電位との関係を測定して,比較検討した。添加剤により,陰極電位は低Dkでより貴へ,高Dkでより卑へ変移し,その分極状態が異なることを認めた。多くの添加剤は共電着を妨げ,殊に,ジフェニルアミン,α-ナフトール,ゼラチンなどはその傾向が著しかった。また,亜硫酸ナトリウム,チオ硫酸ナトリウムならびに亜ニチオン酸ナトリウムによってニッケル電着は促進されるが,モリブデン電着はほとんど起こらなくなることが見出された。これらの結果から, 1)NH2-,OH-基を含む添加剤はニッケルイオンと錯形成すること,2)共電着に際し, ニッケルとモリブデン酸のイオン間に相互作用の起る可能性のあることなどが推測される。
Hisaaki FUKUSHIMATetsuya AKIYAMAYoshichika TOYOSHIMAKei HIGASHI