本稿の目的は、現代における環境問題の研究枠組みを検討することである。第1節にて、日本を例に1960年代から今日に至る環境問題の変遷を、実態と政策の観点から整理し、公害期、環境保護期、地球環境問題期、これら3つの時期における環境問題の特性を明らかにする。続く第2節では、現代における環境問題研究の有力な研究アプローチの1つである、環境意識研究の知見を整理し、そこで用いられている研究枠組みを明らかにする。そして、最後第3節では、現代における環境問題の研究枠組みに、今後いかなる視点が必要とされているのか、検討を加える。 本稿は、現代における環境問題の研究枠組みとして、近年強調される、「人類」と「自然」という巨大な主体を対峙させる枠組みのみならず、「人類」と「人類」を対峙させる、人間社会における社会的公正の観点からの取り組むも重要であることを指摘した。その上で、両者を統合する「環境的公正」、という枠組みに基づいて、今後、環境問題の研究が行われる必要があると主張する。