ボルネオ島北西部に位置するマレーシア・サラワク州では、二〇世紀を通じて大規模な環境改変が行われてきた。本稿では、二〇世紀前半〜半ばの小農によるゴムの植栽ブーム、一九六〇年代〜二〇世紀末の商業的木材伐採、一九九〇年代〜現在のプランテーションおよび商業植林という環境改変の歴史とその問題点を、土地利用・土地行政の観点から概観する。その上で、一九八○年代末から九〇年代初頭にかけて、サラワクの森林破壊が世界的なメディアによって紹介され、地球規模の環境問題として頻繁に取り上げられながらも、その後、現場レベルにおける土地問題が終息に向かわないまま、世界的な注目を失った背景について考察を行う。