JOURNAL ARTICLE

専門スタディーフォーラム T細胞3  自己免疫とT細胞

桑名 正隆

Year: 2014 Journal:   Japanese Journal of Clinical Immunology Vol: 37 (4)Pages: 288-288   Publisher: Japanese Society for Clinical Immunology

Abstract

T細胞は抗原特異性と免疫学的記憶を発揮することで病原微生物や腫瘍に対する生体防御システムを構築している.一方,これらの過剰な活性化は全身性エリテマトーデス(SLE)など自己免疫疾患の発症につながる.T細胞の生存には自己抗原との結合によるシグナルが必要なため,理論上全てのT細胞が自己反応性を有する.そのため,免疫システムには過剰反応を防ぐためのブレーキ役として数々の免疫制御機構が存在する.私たちは長年に渡って,多くの技術的制約の中でヒト検体を用いた自己免疫病態の解析を行ってきた.ヒト末梢血から樹立した自己反応性T細胞クローン株の解析では,抗原エピトープ,HLA拘束性,T細胞受容体超可変領域,エフェクター活性は患者,非患者由来で差がなく,これらT細胞の活性化を誘導する自己抗原の修飾,抗原提示細胞の機能変化などの自己免疫疾患発症における重要性を示した.一方,多くの自己免疫疾患患者ではFoxp3を発現する制御性T細胞(Treg)の減少,免疫抑制機能の低下が報告されている.それに加え,最近私たちはSLE患者活動期にエフェクター活性を有するFoxp3+Treg(exFoxp3+Treg)が増加し,病態形成に関わることを見出した.以上より,自己反応性T細胞の活性化とそれを抑制する制御機構の破綻が自己免疫疾患発症の誘因となる仮説が示されたが,ヒトT細胞の解析ツールのさらなる充実が望まれる.

Keywords:
FOXP3 Immunology Medicine Immune system

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