“ピッチカーボン”の特色の一つは, その性質を広範囲に変化させることができることである。しかし, 性質を制御する方法の詳細はまだ確立していない。この研究はピッチカーボンの黒鉛化性を制御する方法をさらに発展させるために行なわれた。検討した因子は次の三つである。(1) 乾留時における雰囲気の選択, (2) オゾン酸化, (3) AlCl3 または S の乾留時における添加。空気を吹き込みながらの乾留は最終的にえられる製品の黒鉛化性をある程度悪くするが, 典型的な難黒鉛化性炭素は得られなかった。ピッチ原料のオゾン化は他の方法にくらべて煩雑であるが, 最終製品の黒鉛化性を導入酸素量と原料ピッチの軟化点とによって広範囲に制御できた。乾留過程で固化した残留物に対するオゾン化によって酸素を導入することはできるが, 最終製品の黒鉛化性の制御には効果なかった。AlCl3 または S の添加によって乾留時の残留物の固化温度は顕著に低下する。S の添加量によって最終製品の黒鉛化性は広く変化する。この方法はもっとも簡潔でかつ再現性もある。一方, AlCl3 の添加はその量にかかわらず黒鉛化性には影響をもたなかった。
Isao MochidaKazuma AmamotoKeiko MaedaKenjiro Takeshita
Ichitaro OgawaMototsugu SakaiMichio Inagaki