(1)ニトロ化合物を添加して種々な条件下に熱処理し,重縮合せしめたコールピッチの有する遊離炭素数種およびビチューメン質数種をえらび,これらの黒鉛化における役割について検討すべく,背面反射法によるc軸長の測定によって黒鉛化性を比較し,添加ピッチによって得られる重縮合物としての遊離炭素がピッチ自身のそれより易黒鉛化性であること,これが同一ビチューメンとの共存の場合にもあらわれること,ビチューメン自体では黒鉛化度に差がなくても同一遊離炭素と共存するときは大きい差を示すことを知り,ピッチコークスの黒鉛化機構について示唆に富む結果を得た。(2)ジニトロナフタリンおよび塩素ガスを酸化剤とした場合の炭化率および黒鉛化後の減量と,生成黒鉛の真比重d304 との関係を求め,これに関連する事項をあわせ考察して,ニトロ化合物添加成形物の示す大きい収縮の原因や,重縮合をうけたピッチからのコークスの構造について論じた。(3)黒鉛化促進剤として著名なシリカ,アルミナ,ベンガラを添加することによって,ニトロ化合物を添加したコールタールやピッチが無添加タールピッチよりも著しく黒鉛化が促進されることを見出し,その機構について考察することによって,添加および無添加タールピッチ間の構造差を推定した。