ギ酸-ギ酸アンモニウムの緩衝液を用いてアルカリ金属やアルカリ土類元素を陽イオン交換分離するとき,溶離液にメタノールなどの有機溶剤を混合するとこれらのイオンと陽イオン交換樹脂との交換平衡が変化する。著者はさきに塩酸溶離剤にメタノールを混合する場合の影響について報告したので,本報ではアルカリ土類元素,Al3+およびFe3+をギ酸緩衝液を用いて陽イオン交換分離をするときのメタノール混合による影響についてのべる。陽イオン交換樹脂としてDowex 50W-X8を用い,1mol/lのギ酸と1mal/lのギ酸アンモニウムからなる緩衝液に0,10および20%(体積比)のメタノールを混合したものを溶雛液として,Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Al3+およびFe3+の溶離を行なった。アルカリ土類元素の場合には塩酸-メタノールを用いる場合と同様にメタノール混合によって各イオンの溶離がおくれ,Al3+およびFe3+の場合にもわずかの影響をうけることがわかった。メタノール混合による影響はイオンの種類により異なるので,これを利用してこれらのイオンの相互分離を試み満足すべき結果を得た。
F.W.E. StrelowC. R. Van ZylC. Nolte