本稿では、大阪方言の2つの文末詞デとワの意味・用法を記述した。その結果、次のことが明らかになった。(a)デとワは命題のとらえ方について対照的な特徴を持つ。デは話し手が既に知っている、気付いていること、ワは話し手が発話時に気付いたこと、思い出したことについて伝える形式である。(b)聞き手への伝え方についてもデとワは対照的な特徴を持つ。デは聞き手から反応がきそうな発話を、聞き手に向けて伝える。一方、ワは聞き手の意図には関係なく、話し手が一方的に聞き手に伝える。(c)デとワの共通点としては、平叙文でしか使えないことと、ナラティブにおける状況説明では使えないことが挙げられる。
渋谷, 勝己シブヤ, カツミShibuya, Katsumi