術後精神障害とは手術を受けたことを契機に生じた様々な精神症状の総称である。症状の特定が難しいため、その発見と対処には個々の精神機能の特徴を理解して状態のアセスメントを行うことが重要である。術後精神障害の多くは意識障害に包括された症状であり、観察には覚醒水準に加えて、見当識や注意に現れる意識内容の変容という視点が重要となる。せん妄は術後によく生じる精神障害であり、低活動型せん妄は目立たないため発症を見逃すことが多い。医療者は術後患者に精神機能低下が生じていることを前提に精神機能評価を行い、精神機能の状態に合わせた環境整備やケアを行う必要がある。そして患者の行動に対して興味を持つことが、術後精神機能障害を早期に発見、予防をしていくことにつながると考える。