フェニルジアゾタートおよびその p-スルホン酸, m-スルホン酸および p-メチル誘導体が過酸化水素の存在しない状態でルミノールの化学発光の促進剤となることを見いだした。硫酸ジアゾニウムおよびその各種の置換体の水酸化ナトリウム溶液について種々の実験条件下における発光強度化を光電測光しつぎの結果を得た。(1)発光液の水酸化ナトリウム濃度を変化させた場合, p-SO3Diは 0.25N,Diは 0.3N, m-SO3Diは 0.5N, p-CH3Diは 2Nにおいてそれぞれ最高発光強度をあらわす。p-NO2Diは発光促進能をあらわさず,ルミノールヘカップリングして赤色色素を生ずる。(2)ジアゾニウム塩のカップリング能の最大となるアルカリ濃度においては発光促進能はきわめて微弱である。(3)発光減衰速度はジアゾニウム堀の濃度に依存し,ルミノール濃度とは無関係である(発光強度はルミノール濃度の増加と共に増大する)。このような結果と,ジアゾニウム塩の syn-ジアゾタートを経てanti-ジアゾタートへの移行が,溶液のアルカリ濃度の大きいほど容易となり,またパラまたはオルト位に電子吸引基が存在することによってより容易となる既知事実とをあわせ考えると,この系の発光促進をするのはsyn-ジアゾタートであることが推定できる。そこで,syn-ジアゾタートのラジカル分解,syn-φ-N=N-O(-)→ φ.+N2+.O(-)によって生じた酸素がまずアルカリルミノールに作用してその過酸化物を生じ,これがフェニルラジカルによって励起されるものと考えた。
Kanon IeTakahiro SuzukiMasayuki Inoue
Yu. B. TsaplevAleksei V. TrofimovAleksei V. Trofimov
Inna S. AlpeevaIvan Yu. Sakharov
Khoi Seng LokYien Chian KwokNam‐Trung Nguyen