Yosuke KumakiMasako KawagoeShigeki Takada
ポリビニルアルコール(PVOH)は塗工紙において非常に良く知られた材料である。その優れた増膜性は,表面塗工による目止め効果を発現し,透気抵抗度の上昇,油状成分に対するバリアー性を高める事が可能となる。この特性を活かしてPVOHは剥離紙原紙におけるシリコン目止め剤として利用されている。また食品包装用耐油紙のバリアー剤(耐油剤)としての検討も行われてきたが,実用的に用いる為にはさらなる耐油性,耐水性の向上が必要であることが指摘されてきた。部分けん化PVOHをサイズプレス塗工した場合,完全けん化PVOHと比較し高い透気抵抗度・バリアー性を与えるが,耐水性が大きく低下する問題がある。特殊疎水基を含有する変性ポリビニルアルコール,「エクセバール®」は部分けん化PVOHとほぼ同等の透気抵抗度を与え,また吸水性を大きく低下させる事が出来る。透気抵抗度200秒の原紙を用いた場合,1g/m2程度の塗工量で3M KIT値で9という高い耐油性を与え,また分子量を調整することで折り曲げ部の耐油性悪化も最小限に抑制できることを明らかとした。透気抵抗度が低い(15秒)の原紙を用いた場合,「エクセバール®」の単独塗工では,十分な耐油性を得る事は困難であったが,板状カオリンクレーとの混合により,3M KIT値を5まで高める事が可能であった。「エクセバール®」はFood Contact Substanceとして米国FDAへの登録が完了しており,新しい食品包装紙用水性バリアー剤としての活用が期待される。
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Kaiyan JinYanjun TangJichun LiuJunming WangChunjie Ye