「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の1つに「健康な心と体」が挙げられており(文部科学省,2017),幼児期の運動は心身両面の発達に重要だと言える。心身の包括的な健康を示す指標がQOLであるが,児童期のQOLは睡眠・朝食の摂取状況という生活習慣と関連があることが明らかにされている(根本,2014)。本研究では,運動を幼児期の生活習慣の一部ととらえ,幼児期の運動習慣・運動能力とQOLとの関連について検討した。年中・年長児の保護者を対象に質問紙調査を実施し,子どものQOL(Racens-Sieberer & Bullinger, 1998;古荘ら,2014)),運動好意度,平日・休日それぞれの運動時間を尋ねた。また,子どもにMKS運動能力検査(幼児運動能力研究会,2008)を実施し,運動能力を測定した。分析の結果,運動好意度とQOL総合得点に有意傾向の正の相関,運動好意度と自尊感情に有意な正の相関が見られた。一方,QOLと運動時間・運動能力とには有意な相関は見られなかった。幼児期には身体を動かすことの楽しさを経験することが,心身の健康維持に重要であることが示唆された。