日本文学を研究対象に選び、それを学ぼうとする留学生には、各作品に関わる周辺知識の充足が必要である。そこで、稿者が大阪大学日本語日本文化教育センターで担当している「日本文化研究科目」の「日本文学講義lV 日本文学史」の授業では、各作品と「女性」をめぐる問題点についての考察を進めながら日本文学史の諸事項を学んでもらっている。本稿では、このような授業の中から古典文学史(上代文学史=『古事記』、中古文学史=『源氏物語』) の事例について取り上げ、報告する。この報告を通じて、当該授業が、日本文学の研究を志す留学生のための「研究入門科目」として担う役割と意義を確認し、今後の課題点を明確にしてゆくことを期するものである。