ラット肥満細胞からのヒスタミン (Hi) 遊離活性を有するペプチドをヒト唾液からヘパリンアフィニティークロマトグラフィーと逆相高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いて分離した。ヘパリンカラムからの唾液ペプチドの溶出分画はA, BおよびCの3つの分画に分かれ, そのうちBおよびCの分画にヒスタミン遊離活性が認められた。これらの分画についてさらに逆相HPLCで精製し, Hi遊離活性を持つ3つのピーク (H-1, 3および5) を得た。これらのピークのペプチドについてアミノ酸組成および一次構造を測定した。その結果H-1, 3および5はそれぞれヒスタチン1, 3および5に一致していた。H-3およびH-5は5~40μMの濃度範囲で分離ラット肥満細胞から脱顆粒を伴って濃度依存的にHiを遊離した。H-1もHi遊離活性を示したが, その活性はH-3やH-5に比べて弱かった。H-5によるHi遊離は37℃では10秒以内に最大に達し, その至適温度は25℃から37℃の範囲にあった。反応温度が15℃以下および45℃以上では遊離は抑制された。この遊離反応は溶液のpHが中性側から酸性側で顕著であり, アルカリ側では抑制された。またHi遊離反応はメジウム中のカルシウムを必要としなかった。H-5によるHi遊離に際して肥満細胞からのLDHの漏出は認められなかった。以上の結果はヘパリンカラム法と逆相HPLCの併用によってヒト唾液中からヒスタチン1, 3および5を迅速に分離, 精製することができること, およびヒスタチン5が肥満細胞から細胞外液中のカルシウムに依存しない開口分泌様式によってHiを遊離することを示すものである。このHi遊離作用の生理的な意義は不明であるが自然の生体防御物質として口腔内の炎症の初期過程に関与しているものと考えられる。
Ken-ichiro OgataKatsumi NishijimaTakako OginoK. SugiyamaHiroaki Furuta
Kumiya SugiyamaTakako OginoKen-ichiro Ogata
Bruce J. BaumJanice L. BirdDavid B. MillarRobert W. Longton
Katsumi SugiyamaKen-ichiro Ogata
Bruce MackayJerry J. PollockVincent J. IaconoBruce J. Baum